AI時代の人生の味わい深さってなんだろう?【人間のトリセツ】

失敗談

こんにちは。読書好きワーママのらっこです。

読んでよかった本を勝手に紹介するシリーズ」の記事です。

この記事で紹介するのはこちらの本。

この本は正直いって「人生における気づき」という点で、ここ2年ほどで読んだ本の中でベスト5に入ります。

私が悶々としていた時代に読んだ本の中の一冊なのですが、かなり心に響きました。

どんなふうに響いたかは後述するとして、ここ数年の私がどんな感じだったかを簡単にまとめますね。

私は時短ワーママで、育休から復帰して7年ほど経つのですが、

この7年間、ワンオペに苦しんだり、年収が上がらなったり、転職に失敗したり、流産が続いたりと、幸せを感じられずに悶々としていた時期がありました。

なんで私にはよくないことばかり起こるんだろう」とか

なんであの人にはいいことばかり起こるんだろう」とか思ってたし、

自分にはあれがない、これもない」みたいな、とにかくマイナス思考モードの時代が長かったです。

その時代をまとめたのはこちらのシリーズ↓(超長いです。すみません)

人生の底を脱して、ようやく自分の望む生き方が見えてきた話①

で、ようやく2年ほど前に、モヤモヤを自分なりに吹っ切ることができました。

何年も何年もモヤモヤし続けながら、いろいろな本を読んで、自分なりに幸せについて考えて。少しずつ幸せを感じられるようになりました。

今もまあ色々あるけど、その当時に比べると、だいぶ前向きに生きられています。

で、今日紹介するこの本は、モヤモヤしていた時代のうちの最後のほうで「この本に出会えてよかった」と思った本です。

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帯には「ゼロからわかる人間とは何か、AIとは何か。」と書いてあります。

「えっ、幸せについての答えが、AIについての本に書いてあったの?」

って感じかもしれないんですけど、

私的には、幸せについての答えが書いてあったんです。

もっと正確に言うと、私はこの本を読んで、人生はずっと幸せであり続けなくてもいいと思えて、気が楽になりました。

著者の黒川伊保子さんは科学者で、人工知能の研究者です。

人工知能の研究ってどんなことしてるの?と思うかもしれません。

この本の中の表現を借りると、

私の研究は、(中略)ヒトが無意識の領域で行っていること=感性を、人口知能にわかるモデルにすることである。

ということだそうです。

もう少し簡単にいえば、「AIに何を学ばせるか」をずっと考え続けてきた人で、

最近は「AIに何を学ばせないべきか」の線引きをするための研究をしている人、という感じ。だと、私は読み取りました。

有名な著書でいうと『妻のトリセツ』や『夫のトリセツ』もあります。

どちらの本も面白いので、ぜひ本屋ででもチラ見してみてください!

これです↓

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で、そんな黒川さんの書いたこの本は、『人口知能に向けた手紙』という設定なんだけど、

中身は「人間」について説明している本です。

四章仕立てで、それぞれ中身はこんな感じ。

– – – – – – – – – – – – –

第一章:人生は完璧である必要がない

第二章:人工知能がけっして手に入れられないもの

第三章:人工知能にもジェンダー問題がある

第四章:人工知能への4つの質問

– – – – – – – – – – – – –

私は言語に興味があるので、どの章もめちゃめちゃ面白かったです。

「人工知能ってどうあるべきか?」を考えることが、

そのままイコールで、

人間にしかできないことってなんなのか

とか

人生の味わい深さってなんなのか

を考えることにつながるっていうことを、しみじみ感じました。

なかでも自分の人生観にダイレクトに影響を及ぼしたのは第一章です。

この「人生は完璧である必要がない」という章で自分がおぼえた感動を、私の語彙で伝えられるかどうか、いまいち自信がないのですが・・・

引用多めで進めていくので、どうか読み取っていただけたらと思います。笑(丸投げ!!)

お恥ずかしながら、冒頭の文章で、もうワンワンと泣いてしまいました。

そのまま引用させてもらいますね。

人生は、完璧である必要がない。

工場のコントローラは完璧でなければいけない。自動車の自動運転も完璧でなければいけない。医療技術も、もちろん。

しかし、人生に寄り添う人工知能は、完璧を目指してはいけない。「完璧な人生」は、実のところ完璧じゃないからだ。人生の奇跡は、不完全の中にある。

続けて、関連する部分も引用してみます。こちら。

「清く、正しく、美しく、優秀に」生きてしまった人には、心の痛みがわからない。

傷ついた痛みと、傷つけた痛み。

そのどちらも、溢れるほど知っていないと、人生の役には立たない。

ヒトは、うっかり完璧をめざしてもしまうものだ。しかし、失敗のない人生はなく、その失敗こそが人生を芳醇にしてくれる。

なぜこれらの言葉がそんなに響いたのか。

たぶん、この本を読んだときの私が、二度目の流産をした直後だった影響が大きいです。

一度も流産することなく出産していく人がいるなかで、なぜ自分は二度も立て続けにうまくいかなかったんだろうと、正直めちゃめちゃショックでした。

人を羨んでしまう醜い気持ちもあったし、悲しさで胸が張り裂けそうでした。

でも同時に、悲しみの底に沈んでいる自分に優しい言葉をかけてくれた人がいて救われたし、

自分よりもさらに辛い出来事を経験していながら、それを受け入れて生きている人の強さに触れることができたりもしました。

具体的に言うと、

同じように2回の流産を経験している友人に励ましてもらったときに、私はめちゃくちゃ救われたんですけど、

私が前にその友人からの話で聞いていた「二回流産する経験のイメージ」と、「実際に体験する二回の流産」は、まったくの別物だったんです。

二度目の流産がわかったときに、私は「ここから再起するのってマジで無理じゃない?どうやって立ち直ればいいの?」って思って、

そのときに初めて、その友人が過去に感じていたであろう辛さを、少しだけ想像できました。

そして「三回連続で流産になった」という人の話を聞いたときに、その悲しみがいかほどかというのを想像できるようになりました。

もちろん、経験したことがないことは想像することしかできないんだけども、

でも、二回連続の流産であれだけ再起不能になりかけたので、三回連続だったら自分はどう感じるんだろう?っていうのが、

一度も流産を経験していないときの想像に比べると、少しだけ手触りがあるかもと思えたっていう感覚です。伝わるかな。

それでね、人生のすべてってこういうことの積み重なりでできているんじゃないかなって思ったんです。

できれば味わいたくなかった悲しみを知っているからこそわかる人の気持ちがあることと、

それでも人の気持ちは完全にはわからない、っていう謙虚な気持ちの両方を抱きました。

妊娠つながりでいえば、私は切迫を経験しているので、切迫安静の辛さを想像できるし、

両親がいないから、親がいない人が抱える孤独も想像できます。

まあ、ぴったり同じではないだろうけど、経験したことのない人よりは、たぶん想像できると思う。

知っているからこそ想像できる世界があって、自分が体験しているからこそ、人に影響を与えられることもある。

経験していることが多ければ多いほど、人は物事をリアルに想像できるようになって、

その想像がリアルな分、人にやさしくなれるんじゃないかな、って思ったのです。

言語化が難しいのですが、そう思えた経験は、ひとりの人間としての自分を少しだけ成熟させてくれたような気持ちになりました。

私が今こうやってブログを書いているのも、自分の失敗談や苦しんだ経験を世界に伝えることで、世界の誰かの気持ちが少しでも楽になればいいなと思っているからです。おこがましくも。

人生での失敗や苦悩、葛藤、うまくいかないことのすべてに価値があるんだろうな、と今は素直に思えています。強がりじゃなく。

そんなわけで、何年もかけて悶々とし続けて出た答えは「悶々としてきたこと自体にも価値がある」でした。笑

自分語りが長くなりまくりました。すみません。

「失敗」つながりで、本の中での印象的なエピソードをひとつ紹介しますね。

大手IT企業が作ったというショートムービーについての考察の話なんですけど、これがめちゃくちゃ面白かったです。

10年後の未来の架空の話なんだけど、

長い昏睡状態から覚めた父親が、自分のお世話をしてくれてた娘にお礼をしたいと思って、

AI執事に「花束」を手配するように頼むっていうシーン。

そこでなんとAI執事は「彼女が花束を喜ばない可能性は90%を超えるので、やめたほうがいいです」ってアドバイスするのです。

で、父親は花束をプレゼントすることをやめてしまう。(!!!)

というエピソードが引用されていました。

ここで著者の黒川さんは言います。

私は、このやりとりに、冷水を浴びせられたような気持ちになってしまった。私なら、この執事は絶対に要らない。

女心を確率で測るなんて、超ナンセンスだ。女は、999人にバラを贈られても嬉しくないのに、たった1人のそれが人生を変えるくらいに嬉しい。(中略)

今回の花束が「千本目のバラ」だったかもしれないのに。だとしたら、彼(父親)は、人生の奇跡を一つ、逃してしまったことになる。

この父親は、AI執事にしたがうことで失敗を避けることはできたかもしれません。

でも失敗を避ける代わりに、大きな感動を手に入れられるチャンスも失ってしまったかもしれないね、と。

たとえ娘さんからネガティブな反応が返ってきたとしても、それをきっかけにぐっと心の距離が近くなったかもしれないのに。

著者の黒川さんは「そういう人生で、楽しい?」っていう問題提起をしているわけです。

失敗のない、味気のない人生も否定はしないけど、

人生の味わい深さは失敗やうまくいかないことの中にあるんじゃないの?っていう指摘には、なんだか頷いてしまいました。

これから先、まずますAIが発達していくなかで、定型の仕事はどんどん代替されていくし、その流れは止められないとも本書には書かれています。

まあ確かにそうなるだろうなあ。

でも、どこまでいっても、AIに何を学ばせるか、何を学ばせないかを決めるのは人間であり、

何がいい、何が悪いのかの線引きをするのも人間。

で、そういう世界の中で人間に求められることは感性であり、感性を作り上げるのは「失敗」である。

いくら成功事例を教えてもらっても、同じ事象なんてまあ起こらないし、新しい事象に対して脆弱。

だからこそ成功事例をたくさん知っているよりも、自ら失敗を繰り返すことで自分のセンスを磨いていく(ことで、判断を間違いにくくしていく)のが大事、という論理にはすごーく納得しました。

あと人間にしかできない唯一のことは「人生を楽しむこと」だってことも、本書のめちゃくちゃ大事なポイントとして感じ取りました。

頷いたのがこちらの言葉。

やがて、ヒトの仕事は、「動揺すること」「懲りずに痛い目に遭うこと」に集約されるのかもしれない。

逆に言えば、そこにこそ、人間の脳の成長の鍵があり、それこそが人間性の源、ひいては人生の輝きなのに違いない。

20世紀に人々が憧れた理想のエリート脳(今もうっかり、子どもをそう育てようとしている親たちがいる)は、人工知能と変わらない。

人工知能時代に、存在意義が薄れる人たちである。

未来には、その動揺や失敗に、対価が払われるようになるだろう。

ちなみに引用の中の「動揺すること」は女性脳であり、「懲りずに痛い目に遭うこと」は男性脳のことです。

この説明はここでは割愛します。本を読むとめちゃくちゃわかるし面白いのだけど、数行の文章でまとめられない私。

興味のある人はとにかく読んでみて!!(投げやり)

いまの社会のように先の見えない不安の多い社会では、

「失敗したくない」とか「辛い思いをしたくない」と思っている人が多いんじゃないかなと推察します。少し前までの自分自身も含めて。

だからこそ、いつも「どこかに正解はないだろうか?」と正解を探してしまっているような気がします。

そして「最短ルートで、失敗なく、簡単にゴールにたどり着く方法はないか?」っていう雰囲気も感じます。

本屋さんに並ぶたくさんのノウハウ本が、その証なのかなと思ったりしています。

「これさえ〇〇すればOK」「〇〇の教科書」といった、これを読めば正解がわかりますよ的な本が溢れているのは、現代社会を生きる人々の不安な気持ちを表してるんじゃないかなと。

私は社会に出てから10年超、自分が凡人なことに絶望したり、圧倒的な強みを持っていないことに悩んできました。

現実はそんなに甘くなくて、この10年超で知れたのは、「すごい人はマジですごい」「それに比べて自分には大して秀でたものがない」くらいのことでした。

だからこそ焦り、悩み、今の自分を変えるヒントを探して、たくさんのビジネス本を読み漁りました。

でもそこに書いてあったのは、当然なんだけど「他人のノウハウ」に過ぎなくて、自分のための正解ではなかったのです。

自分にとって大切なことは何かは誰も教えてくれないし、

どんな人間になりたいのか。

人生をどんなふうに生きていきたいのか。

っていうのも、自分と向き合い続けることでしか答えは出てこない。

本を読んで知った気になっていることも、ちゃんと自分で経験して血肉化させておかないと、結局は生きた知識にならない。

早く答えを知りたい、誰かに教えてほしい、と思ってきたことすべてが、自分でしか答えの出せないことなんだなってしみじみわかりました。

それと同時に、失敗や辛い経験も人生を味わい深くしてくれるものとして、恐れずに向き合っていこうという覚悟が決まったときに、

数年にわたって感じていたモヤモヤから解放されたような気がします。

モヤモヤを解消してくれたきっかけのひとつは、間違いなくこの本。

二回目の流産に打ちひしがれていたときに手に取った本の一番最初の文章が「人生は、完璧である必要がない」だったら、そりゃあ、しびれるでしょ。

こういう偶然の出会いで前に進む力をもらえたのも、また人生の味わい深さなんだろうなあと思ったりしている今日この頃です。

あとね、個人的にもう一か所、涙なくしては読めなかったところがありまして。

黒川さんのお母さんが花束を準備をするのを忘れたときの話が、息子さんのケーキ準備を失敗したときの経験とリンクしたときのエピソードです。多くは語るまい。

花束を忘れたあのとき、母の心臓も、つぶれそうになったに違いない。息子のケーキを買うたびに、私は母の愛を思う。母があの日、花束を忘れなかったら、この「人生の味わい」を知らなかった。

私もたぶん、これからの子育ての中で、心臓がつぶれそうになるくらい後悔する経験をするかもしれない。そのときに初めてリンクする思い出があったりして、胸が急っとなることがあるのかも、と思う。

そういう瞬間がきてほしいような、きてほしくないような、という不思議な気持ち。

だけど、今はずっと前よりも、公私ともにいろんな経験をして、人生の味わいを楽しんでいきたいなという気持ちでいます。

というわけで、長々と心の赴くままに書いてきましたが、ここまでお読みくださりありがとうございました。

どの程度、伝えられたかはわかりませんが。。。

人工知能を考えることから人間を考える」という独特の方向性から、人生に悩んでいる方に何かしらのヒントをくれる一冊だと思います。

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これらも面白かったので再掲。

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ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

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この記事を書いた人
rakkomom

35歳、零細企業で働く時短ワーママらっこです。
7歳の息子と0歳の娘、長時間労働夫の4人家族。
読書記録、キャパ狭のワーママが倒れずに生きていくための工夫を書いています。

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