人生の底を脱して、ようやく自分の望む生き方が見えてきた話⑧

失敗談

前回からの続きです。
ここまでの話はこんな感じです。

①いい大学を出ていい会社に入れば幸せになれると思ってたけど全然そんなことなかった件

②20代で両親を失ったときの話

③2社目で初めて「仕事って楽しい」と思えた話

④ワンオペワーママ生活がしんどすぎた時代

⑤念願の二人目を流産したときの話

恩師からの紹介で応募のチャンスをもらった私は、急いで履歴書を仕上げ(紹介だったのもあり、なんとなく手書き)、速達で出しました。

その会社が何の事業をしているかも、どんな仕事があるのかもわかりませんでした。

でも直感で、この応募には食らいつかないといけない気がしました。

それまでの転職活動が難航していたことから、時短転職のハードルを越えるには自分の能力だけじゃダメだというのを痛感していたからです。

時短のハンデを補うには、「この子は時短でも採る価値があるよ」っていう、誰かの推薦が必要なんだろうと思ったのです。

紹介先からの連絡を待っているうちに、職場に復帰する日が来ました。

正直ものすごく行きたくなかったけど、職場の皆は優しく迎えてくれて、「大変だったね」と言ってくれて、ホッとしたのを覚えています。

私が流産のために突然行かなくなったことで仕事がドンと乗ってしまった先輩は、きっと大変だったろうに、恨み言ひとつ言わず「全部、片付けておいたよ」と言ってくれて。

この会社のことはあまり好きになれなかったけど、職場の人は本当にいい人ばかりだなとしみじみ思えました。

つくづく人に恵まれているなと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

こんな居心地のよい職場を捨ててまで、私はいま転職すべきなのだろうか。

そんな思いが浮かんだのも正直なところでした。

.

応募書類を送って10日ほど経った頃のことです。

恩師が紹介してくれたTさんから電話が来ました。

「〇〇さんからご紹介いただいた、Tです。あなたの応募書類を拝見しました。さっそく、一度お話しをしたいのですが、来週、都合のよい日はありますか?」

心臓がバクバクしました。

翌週、面接の日。

面接にはTさんと社長のRさんが同席していました。

Tさんは別の会社の社長のはずなのに、なぜかTさんから事業内容の説明がありました。

事業内容は、輸入代理店としての仕事。

ざっくり言うと、海外から商品を仕入れて、日本の取引先に卸す仕事です。

よくよく話を聞くと、この会社のオーナーはTさんだということがわかりました。Tさんが出資して、親戚のRさんが社長をやっている会社とのことでした。

そして話の進み方や会話の内容からして、Rさんは社長だけど経営の実権を握っているのはTさんだろうなと察しました。

私の恩師への連絡では「親戚の会社で雇えるかもしれない」と言っていたけど、実権を握っているのがTさんなら、実際に雇うかどうかを決めるのはTさんということです。

「この人が落とすべきキーパーソンだな」と直感でわかりました。

事業内容や扱っている商材については、正直、興味はそんなにありませんでした。

私が好きな雑貨や文房具とは全然関係のない業界だし、その会社が扱っているものを欲しいと思ったことは一度もないくらいの勢いで興味がありませんでした。

でも、面接に臨むための下準備でTさんについて調べていたところ、Tさんはこの業界ではわりと有名で実績のある経営者だということがわかり、どんな人なんだろうと興味を持っていたのです。

当時の私がいた会社は社員が100人くらい、アルバイトを合わせると400人くらいの中小企業でした。

社員100人というのは、私の感覚としては中途半端に大きいと思っていました。

100人の中で「中枢」と「それ以外」の差が明確にありました。

私は「それ以外」に属していて、これからも「中枢」に行ける見込みはありませんでした。

今の会社でこのまま「ひとりの時短ヒラ社員」として働き続けるくらいなら、優秀な経営者のもとで、そのノウハウを盗みながら仕事する方が、長い目で見て自分のためになるのでは?という考えがあったからです。

Tさんからの話はこんな感じでした。

「うちはまだ創業して間もない会社です。

今は正社員が1人とアルバイトが1人。

今年の3月にスタートした新商品がすごい勢いで成長していて今、いろいろな業務が追い付いていない状況です。

英語ができて、輸出入や在庫管理ができる人をちょうど募集したいなと思っていたところなんです。

なので〇〇さんから紹介をいただいたときには、ぜひこの会社に欲しい、と思いました。

今日会ってみて、人柄も問題ないし、何より〇〇さんの紹介なので、あなたさえ問題なければ、うちとしては採用したいと思っています。

条件は、今の会社と同額は出します。」

。。。

なんと!!

あっさり内定が出た!!!

そして人の紹介パワー、すごい。

他にも選考が進んでいるところがあったので、いったんは持ち帰りました。

でも紹介なしの面接でうまくいく可能性なども考えると、変に転職活動に時間をかけるよりはこの紹介してもらった会社に入った方が得策なのではないかと思うに至り、他の選考はすべてキャンセルすることにしました。

そして内定をもらったTさんの会社に、入社の意志を伝えました。

なんとスムーズ!

恩師、ありがとうございます!!

と思っていたのですが・・・

その後、Tさんの会社と具体的な条件面を詰めていくなかで、認識のずれがあることがわかったのです。

そのことで揉めました。

どんなことがあったかというと、勤務時間と給与条件の齟齬でした。

私は今の会社では7時間勤務にしていました。

家と職場との距離がまあまあ近かったので、7時間勤務しても18時までの保育園のお迎えに余裕で間に合っていたんです。

でもTさんの会社は今の会社よりも往復で1時間ほど遠くなるので、7時間勤務は厳しい。6時間半が限界だなと思っていました。

履歴書には「今の会社での勤務時間」を7時間と記載しつつ、「職場への通勤時間を考慮して勤務時間を決めさせてほしい」と書いていたのです。面接でもそう言いました。

でもオーナーのTさんと社長のRさんは、私は7時間働けると思い込んでいました。

Tさんは面接のときにも応募書類を持ってくるのを忘れていたし(私が予備の応募書類を持って行っていたので事なきを得たのですが)、ざっとは見たけど、ちゃんとは見ていなかったんだろうなという感じでした。

そして私の話(採用いただけるのであれば、勤務時間は相談の上で決めたい、という意志)もきちんと伝わっていなかったようです。

Tさんとしては「7時間勤務で今の年収と同額で採用する」と言ったつもりだったそうです。

それまでメールでやりとりしていましたが、認識がずれているということが判明して、Tさんと電話することになりました。

Tさん、怒っています。

Tさん「勤務時間が6時間半になるなら同額はおかしいよね。だって時給が上がるってことじゃん」

私「そうですね。繰り返しますが、私は勤務時間は相談させていただきたいと申し上げたつもりでした。伝わっていなかったのなら申し訳ありません。こういう話になるなら、最初からはっきりさせるべきでした。」

Tさん「7時間勤務で今と同額か、6時間半勤務にして30分ぶんの年収をカットするか、どちらがいい?選んで。こちらはどっちでもいいから」

私「・・・」

ここで私、迷います。

今の会社なら7時間勤務できるのに、新しい会社に行くと通勤時間が長いがために6時間半になってしまい、その30分ぶんの給料がカットされる。

7時間勤務のなかの30分って、1/14です。

1/14って、年収の7%なんです。

年収が7%減るって、きつくないですか?

我が家は大黒柱が夫です。私はもともとパートに毛が生えたくらいしか稼げていませんでした。

だからこそ家計に与える影響はそこまで大きくないとも言えるけど、パートに毛が生えたくらいの給料がさらに減るなんて、さすがに凹むなと思いました。

でも7時間勤務にして、保育園を延長するという選択肢は無しでした。そこだけは譲れない。

でも年収が下がるのも嫌だ。仕方ないって理性ではわかるけど、感情がついていかない。いまよりさらに下がるの?

なんとか、6時間半勤務のままで、年収をキープできる方法はないかな?

っていうか、なんで転職しようと思っていたんだっけ。

条件が悪くなるなら、今の会社でそのまま働き続けて、もう一度妊娠・出産すればよくない?

今の会社は業績悪いかもしれないけど、もう1年くらいなら生き延びられるんじゃないか・・・?

ああ、なんで他の持ち駒をもう断ってしまったんだろう・・・失敗した・・・

私、頭の中でぐるぐる考えます。

そして、年収よりもずっと、気になっていること。どうしよう・・・

Tさん「・・・聞いてる?(怒)」

私「はい、聞いてます。すみません。」(しまった、電話中だった)

Tさん「どうするの?」

私「はい、7時間勤務は難しいので、6時間半になります。

勤務時間が30分短くなるのであれば、30分ぶんカットするという理屈もわかります。

でも、今あえて御社に転職するのが本当にいいのか、正直ちょっと迷いが生じています」

Tさん「今さら何言ってるの?こっちは色々と準備進めているんだけど・・・」

私「すみません。」

Tさん「何か迷っている理由があるの?年収のこと?」

私「年収のこともあります。

でもそこについては30分カットになったとしても6時間半でと考えています。

どちらかというと、プライベートな話なんですけど・・・

どうしても入社前に言っておかないといけないのではと思っていることがあります」

Tさん「うん、何?」

もう、ここまできたら、全部言ってしまえ。

私、ずっと気になっていて、言わなければいけないと思っていたことを切り出します。

私「いま、私は、人生においてやりたいと思っていることが二つあります。

ひとつは、キャリアを積んで時短でも稼いでいけるようになること。

もうひとつは、二人目を産むことです」

Tさん「うん」

私「自分の中では、新しい会社に入るのなら、1年は妊娠せずにしっかり働いて仕事を覚えて貢献したいと思っています。

でも、今のところ、いずれは妊娠したいと思っています。

先日のお話だと、社員が1人、アルバイトさんが1人とのことでした。

そして私が入ったら、そのアルバイトさんには辞めてもらうことになると。

社員2人の会社で、そのうち1人が妊娠して抜けるということになったら、ご迷惑が大きいのではないかと、怖いんです。

今の会社ならそこそこ人もいるので、まだ色々な面でマシなのかもしれないと。

妊娠を優先させるなら、今のところに居続けたほうがいいという思いもあります。

細かい話ですけど、保育園の入りやすさも違ってくるので・・・

年収の件は、仕方ないというか、まあそうだよなとは頭ではわかっているので、そこまで大きな話ではないです。

色々、頭がぐちゃぐちゃになっていて、意味わからないこと言ってると思うんですけど、すみません。

でもずっと気になっていて・・・何も言わずに入って、1年経って妊娠したとかなったら、「聞いてないよ」ってなるかなとか。

それなら先に言っておいたほうがよいなと思ったんです。

そういうことなら、内定は出せないなどあれば、そう言っていただいて構いません」

私、気が付いたら泣いていました。

どう考えても、転職の面接を受けている会社のオーナーに話すことではありません。

でも色んな要素が混じって迷っていたのも事実で、小さな会社だからこそ、自分を偽ったり無理したりして入社したくないとも思いました。

それに、これを言ってTさんがどう返してくるのかを知りたいと思いました。

その回答をもって最終的にこの会社に入るかどうかを決めたいと、本能的に思ったのです。

Tさん「えーと・・・」

私「グス、グス・・泣」

Tさん「まずね」

私「はい」

Tさん「君は、真面目だね」

私「はい?」

Tさん「妊娠を希望しているなんて、自分から言う必要ないよ。

君くらいの年齢の人を雇おうとしている経営者なら、そんな可能性はもちろん考えてる。

自分からそんなこと言うのは、損だよ。もう少し狡猾になってもいいくらいだ」

私「はあ」

Tさん「次に、小規模だから迷惑うんぬんの話だけど」

私「はい」

Tさん「このご時世、人員にゆとりがある会社なんてそう多くない。

社員が2人だろうと、100人だろうと、そんなに変わらないと思う。

逆に組織が大きければ大きい方が、しがらみも大きくなるよ。

君の望む時短という勤務形態だって、組織が大きいからできないとか、周りとの軋轢が生まれるとか、そういうこともある。

妊娠したら、そのときは皆でどうするか考えればいい。

そのときに、君がいなくなったら困る人材になっていればいいだけの話だ。

今からあれこれ先のことを心配して、身動きが取れなくなるなんてことは、やめたほうがいい。

なんとかなるから」

私「はい」

Tさん「それと、時短でもキャリアを積んでいきたいという話だけど」

私「はい」

Tさん「はっきり言うと、君のキャリアは中途半端」

私「はい・・・(グサッ)」

Tさん「今回、〇〇さんのお墨付きだから、君を雇おうと思っている。

でも紹介がなければ、正直、君を雇おうとは思えなかったかもしれない。

それは他の経営者でも同じだと思う」

私「はい」

Tさん「君のキャリアでは、まだワガママを言える立場ではないということだ。

家庭を大切にするのは大事だけど、君のようにこだわりが強いと、転職活動は難しいよ。

だってどうしてそこまで特別扱いしなきゃいけないのかわかんないもん。

そんなスタンスでいたら、その辺のパートしか仕事の選択肢なくなるよ

私「・・・(ぐうの音もでない)」

Tさん「悔しかったら、成長するしかない。

時短でもいいからウチに来てくださいって言われるくらい、魅力的な人材になれ

私「わかりました。

今日、会社に辞めるって話してきます」

Tさんの言うことはいちいち正論でした。

グサッとくることもあったけど、事実だなと思いました。

配慮をされるに値するほどの人材じゃないという言葉をこのときにもらったことが、転職を決めた一番の理由かもしれません。

時短でもいいからウチに来てくださいって言われる人間になりたい、と思いました。

そしてそのために、この人から盗めることを盗んで、成長してやる、とも。

それとTさんが私の不安や懸念に対してひとつひとつ丁寧に答えてくれる様子に驚いたというのもあります。

正直こんな話、知ったこっちゃないことなのに。

人として信頼できる人かもしれない。ついていってみよう。

そんな風に思いました。

こうして私は、恩師に紹介してもらったTさんの会社に入社することになりました。

が、ここから先の1年が、ワンオペワーママ時代以上にきつい1年となるのでした・・・

続きます。

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この記事を書いた人
rakkomom

30代ワンオペ時短ワーママらっこです。
5歳の息子と長時間労働夫の3人家族。
ワーママが倒れずに生きていくための工夫を書いています。

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